男性が産婦人科を利用できる場面は、完全にゼロというわけではありません。医療連携として受診が認められるケースと、速やかに泌尿器科へ行くべきケースの境界線は明確に引かれています。
男性が産婦人科で対応してもらえる代表例が、「性感染症のペア受診」と「不妊治療における生殖機能検査」です。クラミジアや淋菌などの性感染症は、カップル間で菌を移し合う「ピンポン感染」を防ぐため、男女が足並みを揃えて治療計画を立てる必要があります。パートナーが通院しているクリニックにおいて、事前予約や医師の指示がある場合に限り、男性側の尿検査や投薬を受け付ける施設が存在します。
一方、排尿時の痛み、陰茎の痒みや水ぶくれ、精巣の腫れといった自覚症状を男性本人が単独で解決したい場合は、迷わず泌尿器科を選択しなければなりません。また、男性であっても乳房にしこりや痛みを感じる「女性化乳房症」や「男性乳がん」が疑われるケースでは、婦人科ではなく一般外科や乳腺外科を標榜する総合病院が適切な受診先となります。