本作を支えたのは、昭和から平成のドラマ黄金期を代表する名優たちによる重厚な布陣でした。ドラマのあらすじは、静岡・熱海などで育ったヒロイン・高倉春希が、戦前・戦後の混乱を乗り越え、女性脚本家として自立していく激動の半生を描いています。
人物相関図の中心となる高倉家には、頑固だが家族思いの父・忠吉役に高橋英樹、芯の強い母・タツ役に司葉子という日本映画界の大スターが配向されました。さらに、春希を温かく支える夫・竹中長作を梨本謙次郎が好演。周囲を固める登場人物には、赤木春恵、藤岡琢也、長山藍子、角野卓造、小林綾子といった名立たる「橋田ファミリー」が勢揃いし、長台詞の応酬を支える圧倒的な演技力を発揮しました。
2026年現在における主要キャストの歩みも見逃せません。中途登板というプレッシャーを跳ね除けて見事に完走した中田喜子は、その後も名バイプレイヤーとして舞台やドラマで第一線を走り続け、バラエティ番組『プレバト!!』の俳句コーナーでも名人として幅広い世代に親しまれています。一方の安田成美も、後年は映画やナレーション、エッセイ執筆など多彩な表現者として独自の地位を確立。歳月を経て、互いのキャリアにおいて本作は消し去るべき過去ではなく、俳優としての覚悟を問われた重要な分水嶺として位置づけられています。