長年にわたる朝ドラの歴史を紐解くと、高視聴率を獲得する大ヒット作と低迷作の境界線には明確な力学が働いています。
最大の鍵を握るのは、「脚本家の作家性と朝ドラのフォーマットの相性」です。『あさが来た』(大森美香脚本、平均23.5%)や『ごちそうさん』(森下佳子脚本、平均22.3%)、『虎に翼』(吉田恵里香脚本)のように、確かな時代考証の上に自立する女性像を描き切る脚本は、幅広い世代から圧倒的な支持を集めます。
一方で、プライム帯の連続ドラマでヒットを連発してきた名物脚本家であっても、15分×150回以上という特殊な長編構造にアジャストできず、キャラクターの破綻を招くケースは少なくありません。ヒロインのひたむきな成長に視聴者が自然と感情移入し、毎朝「応援したい」と思わせる関係性を構築できるかどうかが、作品の命運を決定づけています。