原作者の空知英秋は、一連のクライマックスを通じて「完璧な英雄の勝利」ではなく、「傷だらけの人間が他者と繋がり生き抜く姿」を描き切った。
空知特有のセリフ回しと泥臭い人間観は、銀時というキャラクターに唯一無二の奥行きを与えている。銀時は過去の戦争で多くの仲間を失い、心に深い傷を負った「生ける屍」のような状態で物語に登場した。しかし、新八や神楽、そして江戸の街の人々と出会うことで、再び「護るべきもの」を見出していく。
師である松陽の魂を救い出し、己の過去にケジメをつけた銀時は、死によって悲劇の英雄になる道を拒絶した。泥をすすり、笑い、仲間とともに明日を生きる。空知英秋が提示した結末は、死による感動の演出ではなく、生き続けることの泥臭い美しさであった。