現在、このジャンルを牽引しているのが、まさに還暦を迎えた、あるいは60代半ばに差し掛かった名優たちだ。例えば、圧倒的な体躯と眼力で画面を支配する阿部寛。彼の演じる刑事は、かつての型破りなキャラクターから、年齢を重ねることでより深みのある、寡黙で傷を抱えた人物へとシフトしている。
一方で、バイプレイヤーとしても主役としても無類の存在感を放つ松重豊や、知的な佇まいの中に狂気を孕ませる三上博史など、60代俳優の層の厚さは凄まじい。彼らに共通しているのは、単に「かっこいいおじさん」を演じているのではないという点だ。老眼に悩み、体力の衰えを感じながらも、長年の経験だけで犯人を追い詰めていく泥臭いリアルさが、視聴者の心を掴んで離さない。