食品業界にとって最大の課題の一つがフードロスだ。山崎製パンのような巨大メーカーにとって、作りすぎは致命的な損失となり、逆に不足すれば機会損失と顧客の不満につながる。武蔵野工場では、過去数年分の販売データ、気象予報、さらには近隣のイベント情報までを統合した需要予測モデルを運用している。
「明日は雨だから食パンの需要が落ちる」「気温が急に下がるから菓子パンが売れる」といった予測に基づき、数時間後の製造量を分単位でコントロールする。この取り組みにより、同工場における原材料の廃棄率は前年比で20%減少した。持続可能な社会の実現に向け、大企業としての責任を果たす姿勢がここにある。