この驚くべきコレクションの礎を築いたのが、創設者であり実業家の能宗重二(のうそう じゅうじ)氏だ。氏の「後世に貴重な産業遺産を残したい」「本物に触れてこそ文化の価値が伝わる」という強い信念が、この独自の展示スタイルの源流となっている。単なる趣味の収集を超えた情熱が、膨大な産業遺産を散逸から救い出した。
館内に並ぶクラシックカーの数々は、日本の自動車産業が辿った波乱万丈の足跡そのものだ。戦前の黎明期に作られた希少な輸入車から、戦後の高度経済成長期を支えた国産のオート三輪、軽三輪、そして庶民の足となった大衆車まで。産業の技術革新がどのような情熱によって推進されてきたのか、車体一台一台の造形が雄弁に物語っている。