SNSや大手質問サイトの投稿、さらに審美歯科を訪れる患者のカウンセリング記録をリサーチすると、就寝前の飲み物に関して根深い誤解が蔓延している実態が浮かび上がってきます。
都内の審美歯科クリニックでホワイトニング施術を担当する歯科衛生士は、現場での観察記録として次のように証言しています。「毎日欠かさず念入りにフロスと歯磨きをしているにもかかわらず、前歯の裏側や歯間が頑固に茶色く染まっている患者様が少なくありません。生活習慣を詳しく聞き取ると、ほぼ全員が『歯磨きを終えた後、ベッドサイドに麦茶やほうじ茶を置き、喉が渇くたびに一口ずつ飲んでいる』と答えます」。
ネット上のコミュニティでも、「虫歯予防のために緑茶で仕上げうがいを毎晩していたら、半年で歯全体がくすんでしまった」「子どもの虫歯を恐れて寝かしつけ前に麦茶を飲ませていたら、前歯に茶色いスジがついて小児歯科で着色汚れだと指摘された」といった後悔の声が数多く確認できます。
市販のペットボトル茶の普及により、日本人の生活においてお茶は「水代わりの無害な水分」として定着しました。しかし、生化学的な観点から見れば、お茶は植物由来の有機化合物と色素が濃厚に溶け込んだ抽出液です。この認識ギャップこそが、夜間のオーラルケアにおける最大の落とし穴となっています。