古民家カフェ蓮月の魅力の根底にあるのは、建物そのものが持つ圧倒的な物語性です。この建物は昭和8年(1933年)に宮大工の手によって建てられた木造2階建てで、もともとは「蓮月庵」という老舗の蕎麦屋として営業していました。しかし、店主の高齢化に伴い惜しまれつつ閉店。一時は解体の危機に瀕していましたが、歴史的景観を惜しむ地元住民や有志による保存活動が実を結び、クラウドファンディングなどを経てコミュニティカフェとして息を吹き返しました。
1階には心地よい自然光が差し込むテーブル席と小上がりがあり、2階には畳敷きの大広間が広がっています。格子戸や建具、波打つような昭和初期の板ガラスなど、現在では再現が極めて困難な職人技が随所に保存されており、訪れるだけでタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。
また、池上本門寺周辺カフェとしての立地も抜群です。参拝前後の休憩処として立ち寄るシニア世代から、風情ある写真を求めて訪れる若年層まで、世代を超えた憩いの場として機能しています。