事態が表面化したのは、脳外科手術後に著しい神経障害や麻痺を負う患者が相次いだことだった。赤穂市民病院の脳神経外科に勤務していた松井宏樹医師が関与した手術では、解剖学的知識や手技の不備が指摘されるトラブルが連続。ドリルによる神経麻痺や血管損傷など、到底容認できないレベルの術後障害が発生していた。
病院側は当初、個別の不幸な症例として事態の沈静化を図ろうとした。しかし、被害に遭った患者や家族の執念の訴え、さらには院内からの告発により、事故が単発のものではないことが白日の下にさらされた。赤穂市の行政側も対応に追われ、事態の収拾に向けた調査を余儀なくされたのである。