キャリアを重ねるにつれ、彼女の演技はより深みと重厚感を増していく。『その夜の侍』では、過酷な運命に翻弄される女性の哀しみと芯の強さを静かに熱演。さらに『半世界』では、地方都市で暮らす平凡な家族の妻役をナチュラルに体現し、観る者に深い共感と揺さぶりを与えた。過剰な説明を排したヒューマンドラマにおいて、彼女の佇まいは作品全体にリアリティを与える強烈な重石となっている。
これらの作品で見せた圧巻の演技が高く評価され、日本アカデミー賞をはじめとする数々の名誉ある賞を受賞。大げさな身振りに頼らず、吐息ひとつ、目線の揺らぎひとつで心情の機微を表現する技術は、同業者である俳優たちからも一目を置かれている。