『ちびまる子ちゃん』を象徴する最大の視覚的演出といえば、ショックを受けた瞬間に顔の半分にスッと入る「顔の縦線」だろう。青ざめた表情とともに描かれるこのエフェクトは、アニメ表現におけるひとつの革新だった。
この演出は、登場人物の内面的な絶望や気まずさ、言葉にできない感情の揺らぎを、一瞬で視聴者に伝える役割を果たしている。言葉で説明しすぎず、顔の青ざめと縦線一本で笑いを生み出す手法は、さくらももこ先生の発明であり、演出陣の卓越した工夫の賜物だ。感情表現の引き算が生み出すシュールな間が、コメディ・日常系アニメとしての完成度を極限まで高めている。