激しい批判が巻き起こる一方で、ネット上の言説には見過ごせない致命的な誤解と情報の錯綜が存在します。その最たるものが、「町内会で払った500円がそのまま東京の政治的団体に渡っている」という短絡的な誤認です。
赤い羽根共同募金には、大きく分けて「都道府県共同募金会」と「中央共同募金会」という二層のガバナンス構造が存在します。
各自治会や学校、街頭で集められた一般募金の約70〜80%は、寄付を行ったその地域(都道府県・市区町村)の社会福祉協議会を通じて、地元の障害者作業所の送迎車両の購入費、高齢者の見守りネットワーク、子ども食堂の食材支援といった草の根の地域福祉に直接配分されています。残りの一部が広域的な福祉事業の準備金等に充てられる仕組みです。
一方、Colaboやピースボート関連事業で炎上したのは、一般的な戸別募金とは別に運用されている「赤い羽根福祉基金」や「休眠預金活用事業」などの特定テーマ型助成枠でした。これらは大口の遺贈寄付や企業寄付、政府の休眠預金スキームを主たる原資としており、地域の回覧板で集められた町内会費が直接注ぎ込まれていたわけではありません。
しかし、中央共同募金会はこの「資金ルートの切り分け」と「使途の違い」を一般市民に分かりやすく説明する努力を怠ってきました。その結果、身近な地域福祉を支えていた末端のボランティアや福祉施設までもが、中央組織の不透明な助成判断のあおりを受け、深刻な募金不足に陥るという二次被害を招くことになったのです。