チョコホイップをケーキに塗ったり絞ったりする際、白の生クリームと同じ感覚で作業すると失敗を招きます。ココアバターが含まれるチョコホイップは、温度変化に対する粘度変化が極めて急激だからです。
美しいケーキデコレーションを成功させるには、用途に応じた「立て具合(硬さ)」の見極めが不可欠です。
1. 全体へのナッペ(塗り作業):【6〜7分立て】
泡立て器ですくうとトロトロと流れ落ち、跡が一瞬残って消える程度の緩さで塗り始めます。パレットナイフでケーキ表面を撫でる摩擦熱と物理的な刺激によって、塗っている最中にもホイップは硬化していきます。最初から角が立つまで泡立ててしまうと、塗り広げている最中に表面がボソボソになり、滑らかな光沢が失われます。
2. 縁取りやトッピングの絞り出し:【8分立て】
泡立て器ですくい上げるとしっかりとしたツノが立ち、ツノの先がわずかに曲がる硬さに調整します。絞り袋に入れた後は、手の体温がクリームに伝わらないよう絞り袋の上部を持つこと、そして絞り袋に一度に全量を詰めず、2〜3回に分けて小分けにして作業することがプロの鉄則です。手の熱で温まったクリームは先端から液状にダレ始め、エッジの効いた綺麗なラインが崩れてしまいます。