日本の海面漁業は、操業する水域の距離、使用する船舶の大きさ、そして航海日数によって「沿岸漁業」「沖合漁業」「遠洋漁業」の3つに大きく区分されます。その中で沖合漁業は、日本の海岸からおおむね数海里(約数キロ〜十数キロ)離れた沖合から、日本の排他的経済水域(EEZ)である200海里(約370キロ)前後の水域を主たる活動エリアとする漁業形態を指します。
日帰りを基本とする沿岸漁業と、数カ月から1年以上かけて大西洋や南氷洋まで出港する遠洋漁業のちょうど中間に位置し、質・量ともに「国民の胃袋を満たす大衆魚」を一手に担い続けてきた存在です。それぞれの決定的な違いを把握するために、操業実態を整理した比較データを見てみましょう。
沖合漁業と沿岸漁業の違いは、まず機動性と捕獲量にあります。沿岸漁業が日帰り圏内の浅海域で定置網や釣りによって「少量・多品種・高鮮度」を追求するのに対し、沖合漁業は冷蓄冷設備を備えた中型〜大型船で沖へ出港し、まとまった魚群を一度に追尾して大量に水揚げします。
一方、沖合漁業と遠洋漁業の違いは活動水域の地政学的制約です。遠洋漁業が外国の領海付近や国際公海へ進出するのに対し、沖合漁業の主戦場はあくまで「日本近海」です。沖合漁業の船の規模と操業日数は一般に10トン以上から150トン前後の中型漁船が多く、1航路あたり3日から10日前後、天候や漁獲の状況次第で2週間ほど海上に留まり、満載状態にして拠点港へと帰港します。