会場の照明が落ち、無数のフラッシュが焚かれる。ステージに現れた狩野英孝は、トレードマークとも言える細身のスーツに身を包んでいた。かつての平謝りしていた姿とは異なり、その表情にはどこか余裕すら漂う。しかし、マイクの前に立った瞬間、最初の一言で噛んでしまうあたりが、やはり彼だ。会場からは失笑混じりの温かい拍手が送られた。
「皆さん、お忙しい中お集まりいただき、スタッフ一同……あ、僕一人ですね、ありがとうございます!」
この一言で、張り詰めていた現場の空気は一気に和らいだ。自虐を交えつつも、どこか堂々としたその佇まいは、数々の修羅場をくぐり抜けてきた男の成長を感じさせるものだった。