創味食品を語る上で欠かせないのが、一度見たら頭から離れないユーモア溢れるテレビCMの数々です。食品メーカーの広告といえば、シズル感あふれる料理映像や家族団らんの風景を描くのが王道ですが、創味食品は徹底して「シュールなコント仕立て」や「有名映画・名作のパロディ」を貫いています。
特に話題を呼んだのが、日本を代表するお笑い怪獣・明石家さんま氏のCM出演です。普段は特定企業のコマーシャル出演を厳選しているさんま氏が創味食品のオファーを受けた背景には、単なるビジネス関係を超えた事実がありました。番組やインタビューの場でも語られている通り、さんま氏は長年プライベートで「創味のつゆ」を日常的に愛用しており、その「本物の味のファンであったこと」が出演を快諾した決定打とされています。
歴代のCMクリエイティブを振り返ると、オードリー(若林正恭・春日俊彰)を起用した掛け合いや、高良健吾氏によるシュールなドラマ仕立て、さらには「ハコネーゼ」における名作洋画のパロディなど、視聴者の予想を裏切るギミックが満載です。なぜここまでユーモアに振り切るのか。そこには緻密な広告心理学が働いています。
後発として一般家庭用市場へ進出する際、大手競合メーカーと同じ「清潔感・家庭の温かさ」という土俵で戦っても埋もれてしまいます。そこで創味食品は、「圧倒的な違和感と笑いで認知を獲得し、一口食べさせた際の味の本格さで完全にファン化させる」というギャップ戦略を採用しました。広告のふざけた面白さと、製品のストイックなまでの品質の高さ。この二面性が消費者の記憶に深く刻まれ、指名買いを誘発する強力なブランディングとなっているのです。