エビピラフの成否を分けるもうひとつの壁が、エビ特有の生臭さだ。冷凍エビでも生エビでも、解凍後にそのまま釜へ放り込むのは絶対に避けたい。ボウルにエビを入れ、片栗粉小さじ1、塩ひとつまみ、酒大さじ1をもみ込み、流水で濁りがなくなるまで洗い流してペーパータオルで徹底的に水気を拭き取る。このひと手間だけで、エビの雑味が消え、驚くほどプリプリの食感が保たれる。
具材を釜に入れる「順番」にも科学的な理由がある。米の上に水と調味料を溶かしたら、決して混ぜてはならない。底に調味料が溜まると炊飯器のセンサーが狂い、炊きムラや焦げの原因になるからだ。スープを注いで軽くひと混ぜした後は、みじん切りの玉ねぎ、人参、マッシュルームを米の上に広げ、最後に下処理したエビとバターを一番上に乗せる。具材の層を上に保ったまま炊くことで、対流が阻害されず、均一な熱伝導と芳醇な蒸らしが実現する。