真冬の庭木をじっくり観察すると、枝の分岐点や新芽の基部に、光沢を帯びた微小な黒い粒が集小しているのを見つけることがある。これがアブラムシの越冬卵だ。産卵直後は黄緑色や飴色をしている場合もあるが、外気に触れて硬化するにつれて漆黒へと変化し、極寒の寒風や乾燥から内部の幼虫を強固に保護するシェルターとなる。
主な潜伏場所は、バラやハナミズキ、ウメ、モモなどの落葉樹の枝の又、あるいは粗くめくれた樹皮の隙間だ。特に樹皮のひび割れや冬芽の付け根は、外敵や風雨を遮る絶好の隠れ家となる。肉眼での確認が難しい場合は、ルーペを使って枝の裏側や節の周囲をくまなくスキャンする作業が欠かせない。この小さな黒い粒の正体を正しく見極める眼力こそが、春先の爆発的な繁殖を食い止める第一防衛線となる。