コレクションの核を成すのは、水戸市出身であり日本画の近代化を牽引した横山大観(よこやま たいかん)や、木村武山、小川芋銭といった茨城に深いルーツを持つ巨匠たちの名品です。伝統的な技法を刷新し「朦朧体(もうろうたい)」を確立した大観のダイナミックな筆致は、常設展示(所蔵作品展)において定期的な展示替えを行いながら大切に公開されています。
また、洋画分野において外せないのが、同じく水戸出身で夭折の天才画家と称される中村彝(なかむら つね)の作品群です。結核と闘いながら人間の内面を深くえぐり出した肖像画や静物画は、観る者の感情を強く揺さぶります。
敷地内の木立の中には、東京都新宿区下落合に大正期に建てられた彼のアトリエを忠実に復元した「中村彝アトリエ」が併設されています。当時のイーゼルや絵の具箱、家具類が保存されており、無料で一般公開されています。画家の息づかいと当時の創作現場の空気感を肌で体感できる貴重なスポットです。
さらに、クロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワール、カミーユ・ピサロをはじめとする西洋近代絵画の秀作も所蔵されており、日本と西洋の近代美術史の潮流を一望できる重層的なコレクション構成が強みです。