最高峰の美術教育機関である東京藝術大学。ここで工芸科陶芸専攻に進んだ由良は、磁土という扱いにくい素材と徹底的に向き合いました。
磁土の特性と造形の限界への挑戦
陶土に比べて可塑性が低く、粘りの少ない磁土は、複雑な立体造形や微細な装飾に向かないとされています。乾燥や焼成の過程で亀裂が入りやすく、歪みも生じやすいためです。しかし、由良はそのリスクを高度な粘土調整と成形技術によって克服しました。
イッチン技法による立体的装飾
スポイト状の器具を用いて泥彩(泥状の粘土)を立体的に絞り出す「イッチン」技法も、彼女の象徴的なアプローチの一つです。表面に凹凸のある文様を刻み込むことで、手で触れた際のリッチな触感を生み出しています。