一般家庭において専用の医療用消毒薬を常備していない場合でも、市販の塩素系漂白剤(「ハイター」「ブリーチ」など、原液濃度約5%〜6%と記載された製品)を正確に代用希釈することで、医療機関と同等の消毒液を調製できます。
濃度計算の基本公式
消毒液調製時の計算は以下の公式に基づきます。
【必要原液量(ml)=(作りたい希釈液の量 ml × 目的の濃度 %)÷ 原液の濃度 %】
市販の500mlや2Lのペットボトル(水洗いして乾燥させたもの)を利用することで、計量カップがなくても現場で即座に正確な濃度を作ることが可能です。
パターンA:0.1%(1,000ppm)希釈液の作り方【吐瀉物・排泄物処理用】
ノロウイルス感染者の吐瀉物、便、直接汚染された床面や衣類の浸け置き消毒に用いる強力な濃度です。
- 水 500ml の場合:原液(5%)10ml(ペットボトルのキャップ約2杯分)を水500mlに溶かす。
- 水 1L の場合:原液(5%)20ml(キャップ約4杯分)を水1Lに溶かす。
- 水 2L の場合:原液(5%)40ml(キャップ約8杯分)を水2Lに溶かす。
パターンB:0.02%(200ppm)希釈液の作り方【ドアノブ・手すり・日用品の拭き取り用】
感染者が触れたドアノブ、照明スイッチ、テーブル、おもちゃ、トイレの便座などの環境表面を清拭するための濃度です。
- 水 500ml の場合:原液(5%)2ml(ペットボトルのキャップ半分弱)を水500mlに溶かす。
- 水 1L の場合:原液(5%)4ml(キャップ1杯弱)を水1Lに溶かす。
- 水 2L の場合:原液(5%)8ml(キャップ約1.5杯分)を水2Lに溶かす。
※一般的な市販飲料ペットボトルのキャップ1杯の容量は約5mlです。
調製時の注意点と使用期限
次亜塩素酸ナトリウム希釈液は、「作ったらその日のうちに使い切る」のが絶対原則です。希釈した瞬間から空気中の二酸化炭素や熱、紫外線によって急激に分解が進み、有効塩素濃度が激減します。作り置きして数日経過した液体は、見た目は透明でも消毒効果をほぼ失った「ただのアルカリ性の水」に劣化しているため、毎日の作業開始時や発生時に都度調製してください。