健康経営への関心の高まりを受け、空間デザインそのものに対するアプローチも科学的根拠に基づいたものへと高度化している。最新の施設に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは豊富な本物の観葉植物と、自然光を模した特殊なサーカディアンライティングだ。
いわゆる「バイオフィリックデザイン(自然との繋がりを意識した設計)」を取り入れる施設が急増しており、植物が放出するフィトンチッドの濃度管理や、流れる水の微かな音を発生させる音響システムなどが標準導入されている。さらに一部のハイエンドな拠点では、休憩エリアに短時間のマインドフルネスをサポートする脳波測定デバイスや無重力チェアが設置され、短時間で脳の疲労を回復させるプログラムが提供されている。単なる作業効率の向上にとどまらず、利用者の精神的・身体的な健康をトータルで支えるインフラとしての役割が定着しつつある。