道玄坂の路地裏、年季の入ったビルの細い階段を上がると現れる重厚な扉。トウキョウサロナードカフェダブ(渋谷)が「知る人ぞ知る隠れ家」と呼ばれる最大の理由は、その特異な建物史にあります。
結論から言えば、「旧劇場の跡地である」という噂は紛れもない事実です。かつてこの場所は、昭和の時代に熱気と歓楽の中心だった大衆キャバレーやストリップ劇場として営業していました。その後、リノベーションカフェの先駆者である「リノベーションプランニング」が空間の持つ退廃的で艶やかな空気を巧みに活かし、現在のカフェへと再生させたという経緯があります。
高い天井、所々に残るステージの面影、レトロなモールディングや壁面の質感には、当時の熱狂が微かに刻み込まれています。新築のカフェでは決して生み出せない「本物の経年変化」が、訪れる人々をタイムスリップしたかのような感覚へと引き込みます。