2015年11月24日、日本テレビ系音楽特番『ベストアーティスト2015』の生放送中、日本中に激震が走りました。パフォーマンス直前、突如として口を開いた田口淳之介は「30歳を目前にして、これからの自分の人生の歩み方を考えたとき、自分の道を選択させていただきたい」と、KAT-TUN脱退および事務所退所を生告白。隣に並ぶ亀梨和也、上田竜也、中丸雄一の沈痛な表情とともに、このシーンは平成の芸能史に残る衝撃的な瞬間となりました。
当時、グループはデビュー10周年のメモリアルイヤーを翌年に控えていました。赤西仁、田中聖に続く3人目の脱退という非常事態に対し、ファンや関係者からは「なぜ今なのか」という困惑と怒りが噴出しました。その背景には、単なる思いつきではない積年の構造的要因が存在していました。
関係者への取材や当時の報道を総合すると、決定的な引き金となったのは「個人活動への強い志向」と「専属マネジメント契約の更新時期」の衝突です。田口はドラマ『リーガル・ハイ』シリーズ(フジテレビ系)で見せた加賀蘭丸役の軽妙な演技が高く評価され、役者・タレントとしての個人需要が急増していました。しかし、グループの看板を守る活動を最優先とする事務所の基本方針と、より自由度の高いソロワークを望む田口のビジョンは徐々にすれ違いを見せていきます。
さらに、2007年頃から交際が報じられていた小嶺麗奈の存在も無視できません。事務所側が交際関係の見直しや整理を求めたのに対し、田口はプライベートを犠牲にしてまで組織の枠組みに留まることを拒否しました。契約満了となる2016年春のタイミングで、自身の意志を押し通す形で退所に踏み切ったのが事の真相です。