なぜ人は、相手の退屈そうな表情に気づかずに話し続けてしまうのか。近年の脳科学研究によれば、自分の話をしているとき、脳内ではドーパミンなどの快楽物質が分泌されていることが分かっている。これは食事や金銭的報酬を得たときと同じ領域が活性化している状態だ。
つまり、自分のことばかりを話す行為は、一種の「脳内麻薬」の自己投与に近い。相手の反応を観察する社会的認知機能が低下しているとき、この報酬系は暴走しやすくなる。疲労やストレスが蓄積している人ほど、無意識のうちに会話を独占し、自らを癒やそうとする防衛反応が働くという指摘もある。