器具の進化は、単なる「使いやすさ」の追求にとどまらない。院内感染対策の厳格化を受け、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)が示すガイドラインは、器具の滅菌・洗浄プロセスのトレーサビリティ確保を強く求めている。
複雑なルーメン(管腔)を持つ吸引管や鉗子の内部は、通常の用手洗浄だけでは微細な血液・粘液タンパクが残留しやすい。そのため、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)や低温プラズマ滅菌に耐えうる高耐久性特殊鋼の採用、さらには分解洗浄がワンタッチで行えるセパレート構造の器具が業界標準となりつつある。感染管理の向上は、器具単体の性能だけでなく、洗浄・滅菌・保管に至るトータルシステムの最適化によってのみ達成される。