1984年にパート1、1985年にパート2が放送された『うちの子にかぎって…』は、それまでの「熱血教師が生徒を更生させる」という定番の教育ドラマとは一線を画す画期的な作品でした。プロデューサーの八木康夫氏と脚本家の伴一彦氏のタッグが生み出した本作は、小学生の万引き、カンニング、性の目覚め、受験ストレスといったリアルな日常問題をコミカルかつシニカルに切り取り、TBSドラマの中でも歴代屈指の高い評判を獲得しました。
何より視聴者に衝撃を与えたのは、主人公・石橋徹先生を演じた田村正和さんの変貌です。それまで時代劇やシリアスな恋愛劇で見せていたニヒルな二枚目像を自ら崩し、生徒に翻弄されながら右往左往する等身大の教師像を熱演。この成功が後の『パパはニュースキャスター』や『パパとなっちゃん』、そして名作『警部補・古畑任三郎』へとつながるキャリアの転換点となりました。
さらに作品を彩ったのが、当時アイドル的人気の頂点にあったチェッカーズによる主題歌です。パート1の「星屑のステージ」、パート2の「ティーンネイジ・ドリーム」はドラマの情緒的な演出と完璧にシンクロし、物語の切なさと爽快感を際立たせる大きな原動力となりました。