銀座治作を訪れるうえで外せないのが、創業以来90年以上にわたって受け継がれてきた名物「水たき」です。一般家庭や大衆店で見られる水炊きとは一線を画すその製法には、料亭ならではの厳格な職人技が息づいています。
水たきの具材は極めてシンプルで、厳選された徳島県産「阿波尾鶏」、水、そして少量の塩のみ。野菜などの余計な水分や雑味を一切加えず、専用の大きな羽釜で職人が丸一日つきっきりで強火で煮込み続けます。完成した黄金色の白濁スープは、鶏のコラーゲンと濃厚な旨味が極限まで凝縮されており、雑味のない澄んだ後味が特徴です。
客席では、専任の仲居が目の前で丁寧に取り分けを行います。まずはスープのみを特製の猪口で味わい、その圧倒的なコクを堪能したのち、骨離れの良い柔らかな肉を治作秘伝の特製ポン酢で食します。このポン酢は徳島県産スダチと厳選醤油を絶妙な比率で配合したもので、濃厚な鶏の旨味を爽やかに引き締めます。
水たきを含むコースメニューはもちろんのこと、旬の鮮魚を用いたお造りや繊細な椀物、季節の焼き物などを織り交ぜた本格的な日本料理会席も展開されており、四季折々の日本の美意識を五感で楽しむことができます。