インターネット上や料理動画では「冷たい料理」が涼感を呼ぶキラーコンテンツとして拡散されがちですが、ここには医学的・生理学的な大きな盲点が潜んでいます。
第一の誤解は、「暑い日は冷たいものだけを食べていれば内臓が冷やされて調子が上がる」という思い込みです。日本消化器病学会等の知見によると、0℃〜5℃近い氷水やキンキンに冷えた麺類を日常的に流し込むと、胃腸の粘膜温度が急激に低下し、消化酵素の活性が約30%以上ダウンします。その結果、せっかく摂取した栄養が十分に吸収されず、下痢や全身の強い倦怠感を引き起こす「内臓型冷えバテ」に陥るリスクが高まります。
第二の盲点は、「スタミナをつけるならニンニクと脂身の多い肉をガッツリ食べるべき」という昔ながらの固定観念です。すでに暑さで胃腸機能が落ちている状態でラードや過度の牛脂を摂取すると、消化に膨大なエネルギーが動員され、かえって身体を疲弊させます。夏に必要なスタミナとは、重たい脂を詰め込むことではなく、糖質を効率よくエネルギーに変換するビタミンB1とクエン酸の円滑な供給を指します。