日本の芸能史を振り返れば、松田聖子さんや松浦亜弥さんなど、各時代を代表する歴代アイドルが存在します。彼女たちもまた卓越した歌唱力や表現力で時代を席巻しましたが、渡辺麻友さんが確立した「アイドルサイボーグ」という立ち位置は、それらとも一線を画しています。
グループアイドル全盛期という競争が激化し、SNSの普及によって舞台裏のリアルさが求められる時代の中で、彼女はあえて古典的ともいえる「非の打ち所がない王道」を徹底的に貫きました。人間味を売りにするスタイルが主流となった時代に、自らの感情や私生活を完全に制御して虚構の美を極限まで磨き上げたその姿は、近代アイドル史における一つの到達点として記録されています。