本作のプロットは極めてシンプルでありながら、緻密なサスペンス構造を持っています。ロス市警(LAPD)の麻薬取締課に志願した正義感あふれる若手巡査ジェイク・ホイト(演:イーサン・ホーク)は、配属初日、伝説的なカリスマ捜査官アロンゾ・ハリス(演:デンゼル・ワシントン)による査定・指導(トレーニング)を受けることになります。
物語の大きなあらすじと見どころは、朝から夜、そして翌朝に至る「たった24時間」の中で、ジェイクの信じる正義が音を立てて崩れ去っていく心理サスペンスです。アロンゾは「狼を捕まえるには狼にならなければならない」と説き、押収した違法薬物の吸引をジェイクに強要し、令状のない不法捜索や容疑者の射殺、現場の偽装を平然と行います。
メガホンを取ったアントワーン・フークア監督は、ロケ地として悪名高いサウスロサンゼルスの危険地帯を選び、実際のギャングコミュニティの協力を得て撮影を敢行しました。CGに頼らないストリートのざらついた空気感と、車内という密室で繰り広げられる2大スターの息詰まる心理戦が、観客を逃げ場のない狂気へと引きずり込みます。