1974年の秋、読売ジャイアンツのV10(10連覇)の夢が潰えたその日、後楽園球場で行われた中日ドラゴンズとのダブルヘッダー第2試合終了後に運命の後楽園球場 引退セレモニーが執り行われました。肌寒い秋雨が降りしきる中、スタンドを埋め尽くしたファンが固唾を飲んで見守るなか、長嶋茂雄氏はマイクの前に立ちました。
球史に永遠に残る我が巨人軍は永久に不滅です 全文は以下の通りです。
「昭和33年4月5日、巨人軍に入団以来、今日まで17年間、栄光の巨人軍、そして背番号3を背負い、一筋にプレーしてまいりました。今日、ここに引退いたしますが、私の背番号3番は永久に皆様の心の中に生き続けるものと信じております。
振り返ってみますと、17年間の長きにわたり、ファンの皆様の温かいご声援に支えられ、またある時は叱咤激励され、今日まで無我夢中でバットを振り続けてまいりました。今日、ここに皆様とお別れすることは非常に寂しい限りでございますが、私の体はすでにボロボロでございます。
私は今日引退いたしますが、我が巨人軍は永久に不滅です。
長い間、本当にありがとうございました」
スタンドからは割れんばかりの拍手と、大人の男たちが声を上げて泣く嗚咽が混ざり合いました。「ミスタープロ野球」と呼ばれた男の退場は、ひとつの時代の終わりを告げる象徴的な儀式となったのです。