『あまちゃん』の登場人物相関図は、北三陸編と東京編という二部構成を通じて非常に重層的に設計されています。海女クラブの個性的な面々、観光協会の職員たち、東京のアイドルグループ「アメ横女学園芸能コース」のメンバーなど、登場するキャラクターの誰一人として無駄がありません。
制作スタッフが明かしたエピソードによると、主演オーディションで1953人の応募者の中から能年玲奈(現のん)が選ばれた瞬間、満場一致で「この人しかいない」という直感が働いたといいます。彼女の持つ透明感と予測不能なリアクションが、宮藤官九郎の筆をさらに走らせ、当て書きによってキャラクターが劇的に肉付けされていきました。
また、劇中で震災の描写をどのように扱うかについては、制作陣の間で極めて慎重な議論が重ねられました。過度な悲壮感を煽ることなく、日常が断ち切られた瞬間のリアルと、そこから立ち上がろうとする人々の営みを丹念に描いた演出は、今なおテレビ史に残る誠実な表現として語り継がれています。