世界の環境規制は、もはやスローガンではなく具体的な法規制として企業の経営リスクに直結する段階に入った。とりわけ2026年に向けて各国の環境当局が厳格化させたプラスチック使用規制は、梱包材市場に地殻変動をもたらしている。発泡スチロール(EPS)やプラスチックフィルムは軽量で緩衝性能に優れるものの、自然界での分解に数百年を要し、リサイクル率の低さが世界的な課題とされてきた。これに対し、再生紙や段ボール古紙を主原料とするパルプモールドは、使用後に100%紙資源としてリサイクルできるだけでなく、万一自然環境に流出しても微生物の働きによって自然分解される圧倒的な環境適応力を誇る。
さらに、近年注目を集める「LCA(ライフサイクルアセスメント)」の観点からも評価は一変した。製造プロセスにおける水使用の循環化や低炭素エネルギーの導入が進んだことで、製品の原料調達から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体での温室効果ガス排出量が、石油由来プラスチックと比較して大幅に削減されることが実証された。この環境優位性が、グローバルに事業を展開する大手メーカーの調達方針を一気に転換させる決定打となっている。