D種接地工事の基準と落とし穴|抵抗値・省略条件から施工法まで徹底解説

D種接地工事の基準と落とし穴|抵抗値・省略条件から施工法まで徹底解説

話題沸騰中の D種接地工事の基準と落とし穴|抵抗値・省略条件から施工法まで徹底解説について、詳しいまとめを整理して公開しています。

電気を安全に使用するための基礎技術である接地(アース)は、電気機械器具の金属製外箱や配管などを導線で大地と電気的に接続する作業を指します。万が一、機器内部で絶縁破壊が生じて電気が漏れ出た(地絡)際、人体よりも電気抵抗がはるかに低いアース経路へ電流を逃がすことで、人体を通過する電流を最小限に抑え、感電事故を未然に防ぐ仕組みです。

電気設備技術基準の解釈(以下、電技解釈)第17条および第29条において、低圧で使用する電気機械器具の金属製外箱には、使用電圧に応じてC種またはD種の接地工事を施すことが明確に義務付けられています。このうち、対地電圧が低く一般家庭や小規模オフィス、軽工業設備で多用される使用電圧300V以下の低圧機械器具に適用される区分が「D種接地工事」です。

D種接地工事における技術基準の骨子は、主に以下の3点に集約されます。

  • 接地抵抗値の原則:接地極と大地との間の電気抵抗値は、原則として100Ω以下を維持しなければなりません。
  • 漏電遮断器設置による緩和規定:低圧電路において、地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置(高感度高速形漏電遮断器など)を施設する場合は、接地抵抗値を500Ω以下まで緩和することが認められています。
  • 接地線の電線太さ:接地線には、故障電流に耐えうる機械的強度と通電容量が求められます。原則として直径1.6mm以上の軟銅線(またはこれと同等以上の強さと太さを持つ絶縁電線)を使用することが規定されています。なお、移動して使用する電気機械器具の接地線には、キャブタイヤケーブルの芯線(断面積0.75mm²以上または1.25mm²以上)を用いる規定が細かく定められています。

ここで多くの電気技術者が混同しがちなのが、高圧電路に適用されるA種接地の条文や計算式との混同です。民間調査機関や施工管理技術者の指導現場でも指摘されている通り、電技解釈におけるD種の独立した条文構造を正しく把握していなければ、現場での過剰設計や逆に基準未達の見落としを誘発する恐れがあります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。