高遠の地で発見された絵島の遺品には、贅沢を極めたかつての面影はなく、ただ静謐な信仰の跡だけが残されていた。取り調べにおいて、彼女は主君である月光院を巻き込むような証言を最後まで一切口にしなかったという。その沈黙は、自らの命を賭して主筋を守り抜いた誇り高き覚悟の証拠だったのかもしれない。
華美なスキャンダルの衣を一枚剥ぎ取れば、そこに見えてくるのは巨大な男性中心の封建機構に抗い、あるいはその犠牲となったひとりの女性の生き様だ。歴史の暗闇に消し去られた真実の破片は、数百年を経た今もなお、私たちに権力の残酷さと人間の気高さを静かに問いかけている。 (出典: 江島 生島 事件(Yahoo!ニュース))
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