かつて「暴動の街」としてメディアに報じられた記憶は、もはや過去の遺物となりつつある。自治体と警察による街頭防犯カメラの増設や防犯パトロールの強化により、街頭犯罪の発生件数は大幅に減少した。夜間でも女性のひとり歩きが見られるほど、体感治安は向上している。
しかし、こうした監視システムの強化とクリーン化の動きに対し、かつての自由な空気や「懐の深さ」が失われたと感じる人々も少なくない。訳ありの人間でも受け入れてきた懐の深さが、厳しい管理社会の波によって削ぎ落とされているという指摘だ。安全な街づくりと、社会的包摂のバランスをどこに置くべきか、議論は平行線をたどっている。