しかし、変化の影には深い問題も潜む。長年この地域で福祉活動を続けてきたボランティア団体のスタッフは、複雑な表情を浮かべる。「簡易宿泊所が次々と観光客向けホテルへと改装され、元々の住人が退去を余儀なくされる例が増えている。街が綺麗になる裏で、生活の糧や住処を失う人が出るのは放置できない問題だ」。
家賃相場はここ3年で一気に跳ね上がった。ワンコインで買えた大衆食堂の弁当も、物価高と観光地化の影響を受けて値上がりが続く。セーフティネットとして機能してきた街の優しさが、過度な資本主義の波に呑み込まれつつあるという懸念は強い。