ネット上の掲示板やSNSでは、「大阪の社会人サークルに初心者が参加したら気まずい思いをした」という体験談が定期的に投稿されます。この噂の真偽を確かめるべく、府内複数の会場でプレーするプレイヤーや幹事たちに聞き取り取材を行いました。そこで浮かび上がってきたのは、参加者とチーム側の間にある「初心者」という言葉の解釈の決定的なズレです。
ある20代後半の参加者は、自身の苦いデビュー戦について次のように打ち明けてくれました。「募集要項に『未経験者・ブランク大歓迎』とあったため、軽い気持ちで大阪市内のサークルに参加しました。しかし、蓋を開けてみればメンバーの8割が高校・大学のバスケ部出身者。試合が始まると目まぐるしいパス回しと速攻が展開され、自分はディフェンスで振り回されるだけ。ミスをすればあからさまにカバーに入られ、最後はパスすら出してもらえなくなりました。主催者は優しかったものの、周囲の『本気で勝ちたい空気』に居場所を失い、その日限りで連絡を絶ちました」。
こうした現象が起きる構造的要因は、チーム運営側が人数集めを優先するあまり、実力制限を曖昧にしたまま大阪社会人バスケのメンバー募集を行ってしまう点にあります。経験者側も決して悪気があるわけではなく、ボールを持てば無意識に身体が高校時代の部活レベルの強度で動いてしまいます。その結果、悪意のないまま初心者が置き去りにされ、コート上で孤立する構図が完成してしまうのです。