「生体代金は一切いただきません。大切に育ててくれる方にお譲りします」――こうした文面を見たとき、多くの人は善意の飼い主がやむを得ない事情で手放すケースを想像します。しかし、子犬無料譲渡トラブル真相を追跡すると、その大半は「無料」という言葉の定義そのものを逆手に取ったビジネスや悪質な詐欺であることが浮き彫りになります。
実際に寄せられる相談で最も多いのが、引き渡し直前になって発生する不可解な金銭要求です。「ワクチン接種代」「健康診断料」「それまでにかかったドッグフード代」「遠方からの交通費」といった名目で、最終的に5万〜10万円以上の現金を請求されるケースが頻発しています。提示される領収書が偽造されていたり、獣医師の診断書が存在しなかったりする事例も少なくありません。
さらに見過ごせないのが、ブリーダー子犬無償の理由に隠された闇です。改正動物愛護管理法の施行以降、繁殖引退犬や先天性疾患(心臓疾患、膝蓋骨脱臼など)、規格外のサイズによって商品価値がつかない子犬を「無償譲渡」と称して一般家庭へ流す悪質ブリーダーが存在します。なかには「毎月指定の高額プレミアムフード(月額1万5,000円)を3年間定期購入することが無償譲渡の条件」といった拘束契約を結ばせる巧妙な手口も確認されています。
正規の保護活動において発生する子犬譲受のワクチン費用負担は、過去に接種した混合ワクチン代や駆虫費用など実費として数千円〜1万数千円程度の明朗会計が基本です。詳細な明細書の提示を拒んだり、一括で高額な「諸経費」を請求してきたりする募集主は、初めから営利目的であると疑う必要があります。