大相撲中継やネットニュースで「若元春・若隆景の兄弟」が取り上げられる際、必ずと言っていいほど話題にのぼるのが、大波三兄弟の長男である若隆元です。2026年現在、30代半ばを迎えた若隆元ですが、土俵を去ることなく、日本相撲協会の番付において幕下のポジションで気迫のこもった取組を繰り広げています。
幕下上位は「関取(十両以上)」と「力士養成員(幕下以下)」を分ける天と地ほどの格差が存在する過酷な境界線です。関取になれば月給が支給され、付き人がつき、白足袋や色紋付の着用が許されますが、幕下のままでは給与は出ず場所手当のみとなります。弟2人がすでに大関・関脇へと駆け上がり、経済的にも名誉的にも頂点を極める中、長男である彼が腐ることなく前へ出続ける姿は、相撲ファンのみならず多くの現代人の胸を打ちます。
関係者筋の証言によると、若隆元は毎朝の稽古場に誰よりも早く現れ、若い衆に胸を出しながら自身の立ち合いの鋭さを磨き直しているといいます。目標はもちろん、あと一歩のところで阻まれてきた若隆元の十両昇進です。かつて幕下西7枚目まで番付を上げ、関取の座を視界に捉えながらも跳ね返された悔しさを糧に、ベテランの域に達した今もなお「関取昇進の夢」を諦めていません。