大部屋出身者の中で、世界的な尊敬を集めた伝説的俳優がいる。「5万回斬られた男」の異名を持つ福本清三だ。彼は半世紀以上にわたり、画面の隅々で主人公の刀に倒れ続ける「斬られ役」に人生を捧げた。カメラの画角、倒れる角度、血の吹き出し方まで計算し尽くされた彼の殺陣は、もはや芸術の域に達していた。
時代劇の衰退とともに大部屋俳優たちの居場所が失われかけた時代、彼らを主役に据えて脚光を浴びた映画が『太秦ライムライト』だ。主役の光を際立たせる陰の職人たち。言葉ではなく、背中と殺陣の鋭さで語る彼らの生き様は、国内外の映画ファンやクリエイターの心を激しく揺さぶった。