医薬品である以上、大柴胡湯にも明確な副作用リスクが存在します。最も頻度が高いトラブルが「消化器症状(下痢・軟便・激しい腹痛)」です。
この下痢の主因は、処方に含まれる生薬「大黄(ダイオウ)」に含まれるセンノシドという成分です。センノシドは大腸に到達すると腸内細菌によってレインアンスロンへと代謝され、大腸の蠕動運動を強力に促進します。便秘が重度で体力が有り余っている「実証」の人には心地よい排便をもたらしますが、体力が低下している人や胃腸虚弱(虚証)の人が服用すると、腸管が過剰刺激を受け、激しい水様便や腹痛を引き起こします。
また、頻度は極めて稀であるものの、添付文書で警告されている重大な副作用として以下の2点に厳重な警戒が必要です。
1. 間質性肺炎:階段を上ったり少し無理をしたりした際の息切れ・息苦しさ、空咳、発熱などが突発的に現れる病態です。
2. 肝機能障害(アレルギー性):発熱、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、全身の強い倦怠感などが現れます。大柴胡湯は肝機能改善に用いられる一方で、生薬に対する特異体質的なアレルギーによって肝機能障害を誘発するリスクがゼロではありません。
服用方法についても厳守すべき原則があります。「大柴胡湯 飲み方 食前食間」とあるように、漢方製剤の基本は食前(食事の約30分〜1時間前)または食間(食後約2時間後の空腹時)に、水または白湯で服用することです。胃の中に食べ物がない状態の方が生薬成分の吸収効率が高まるためです。ただし、どうしても胃に不快感を覚える場合は、主治医や薬剤師に相談の上で食後服用に切り替えるなどの調整が行われます。