インターネット上の健康フォーラムで根強く信じられている誤解に、「トイレットペーパーに血がついたから、あのポリープは悪性に違いない」「自覚症状が何もないから、画像にポリープが映っていても良性のはずだ」という思い込みがあります。
医学的事実として、大腸ポリープ自覚症状と出血理由は、病変の悪性度よりも「発生した部位」と「機械的摩擦」に強く依存します。直腸やS状結腸といった肛門に近い下部消化管にポリープがあれば、固形化した便が通過する際に擦れ、良性のポリープであっても鮮血便が出ます。痔核からの出血と見た目で判別することは不可能です。
逆に、盲腸や上行結腸など右側の大腸深部では便がまだ液体状であるため、仮に20mmを超える早期がんが存在していても、便との摩擦が起きず出血は起こりません。出血しないまま無症状で進行し、貧血検査の異常値や便潜血検査の微細な反応で初めて捕捉されるのが大腸病変の典型的な臨床像です。
「出血したから悪性」「症状がないから安全」という自己診断は、医療現場から見ればどちらも極めて危険な誤認と言わざるを得ません。