自覚症状に乏しい大動脈瘤ですが、破裂の危機が迫る「切迫破裂」の段階になると、特定の身体的サインが現れることがあります。部位ごとの前兆を正確に把握しておくことが命綱となります。
【胸部大動脈瘤破裂の危険なサイン】
心臓の近くや背中側を通る胸部大動脈に瘤がある場合、周囲の神経や気管を圧迫することで特有の症状が出現します。
- 声のかすれ(嗄声):瘤が反回神経を圧迫し、風邪でもないのに急に声がしゃがれる。
- 飲み込みにくさ(嚥下障害):食道が圧迫され、固形物が喉を通りにくくなる。
- 背中や肩甲骨の間の鈍痛・張り:阿藤快さんの例にも見られたように、筋肉痛と勘違いしやすい頑固な背部痛が続く。
- 激しい胸の圧迫感:破裂直前には「胸を引き裂かれるような激痛」が突然走る。
【腹部大動脈瘤破裂の危険なサイン】
おへその周囲や下腹部を通る腹部大動脈に瘤ができるタイプで、男性や喫煙者に多く見られます。
- お腹の拍動性腫瘤:仰向けになってお腹を触ると、心臓の鼓動に合わせて「ドクドク」と大きく波打つしこりに触れる。
- 原因不明の腰痛や下腹部痛:整形外科を受診しても異常が見つからない腰の重みが急に悪化する。
- 冷や汗やめまい:微小な亀裂(警告出血)に伴い、一時的なふらつきや顔面蒼白が生じる。