栄養機能の側面からも、両者は異なる得意分野を持っている。大根の代名詞とも言えるのが、豊富なジアスターゼ(消化酵素)をはじめとする各種アミラーゼだ。この酵素は炭水化物の分解を助け、胃もたれや胸焼けを和らげる働きを持つ。ただし熱に非常に弱いため、消化促進を狙うなら生のまま「おろし」として摂取するのが最も理にかなっている。
蕪にも消化酵素は含まれているが、注目すべきはビタミンCの豊富さと、胃腸を温めて調子を整えるとされる伝統的な食療価値だ。加熱しても損なわれにくいペクチンなどの水溶性食物繊維が、荒れた胃粘膜を優しく保護してくれる。
さらに見逃せないのが「葉」の栄養価だ。大根・蕪ともに緑黄色野菜に分類される葉部分には、根の何倍ものβ-カロテン、カルシウム、ビタミンKが含まれている。JA全農の広報担当者が推奨するように、葉を捨てずに刻んで油炒めやふりかけに活用することは、食材を丸ごと活かす知恵として定着している。