メジャーリーグベースボール (MLB)の歴史を次々と塗り替える大谷翔平。投打にわたって圧倒的なパフォーマンスを披露し、ロサンゼルス・ドジャースの主軸としてワールドシリーズ制覇に挑む姿は、もはや野球という枠組みを超えた社会現象だ。だが、現地アメリカのベテラン記者たちが一様に驚くのは、その驚異的な身体能力以上に、礼儀正しさと精神的なタフさである。
ピンチの場面でも冷静さを失わず、審判の判定に苛立つこともなく、ゴミが落ちていれば自然にポケットへしまう。プロ野球の日本ハム時代から培われたルーティンはあるにせよ、その根本にある「他者への敬意」や「澄んだ心根」は、幼少期を過ごした岩手県奥州市の家庭で育まれたものだ。日米のファンの心を掴んで離さない人間的魅力の土台は、まさに幼い頃の食卓やリビングの会話の中で築かれていた。