大谷のルーツを語る上で欠かせないのが、佐々木洋監督の存在だ。佐々木監督は、技術指導以上に「心づくり」と「目標設定の重要性」を説き続けた。
高校時代に作成された「目標達成シート(マンダラチャート)」は、いまや人材育成の場でも語り継がれる伝説のツールだ。中央に掲げた「8球団からのドラフト1位指名」という壮大な目標。その周りを埋め尽くしたのは、球速160km/hといった技術的な課題だけではない。「ゴミ拾い」「挨拶」「部屋掃除」「審判への態度」といった日常生活の行いだった。「運を引き寄せるための行動」を高校生の手で具体化させた指導法こそが、現在の誠実で愛される怪物・大谷翔平を形作ったのだ。