大谷家の教育方針において、教育関係者や子育て世代からとりわけ高い評価を得ているのが「子ども同士を絶対に比較しない」という鉄則です。
大谷翔平の家族構成において、長男である兄の大谷龍太さんは7歳年上。龍太さんもまた187cmの堂々たる体躯を持ち、岩手県立前沢高校卒業後、クラブチームや四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスでプレーし、その後はトヨタ自動車東日本硬式野球部で選手・コーチを務めた本格派の野球人です。姉の結香さんも学生時代にバレーボールに親しみ、現在は結婚して家庭を築いています。
年が離れた兄が先に野球の世界で挑戦を続ける中、親が「お兄ちゃんを見習いなさい」と言ったり、逆に才能を開花させた翔平選手を過度に持ち上げたりすることは一度もありませんでした。それぞれの子どもが選んだ道を一人の独立した人間として認め、等しい愛情で見守る姿勢が貫かれていたのです。
また、大谷家には「子どもの前で夫婦喧嘩を絶対にしない」という明確なルールがありました。父の徹さんは自動車関連工場の勤務で夜勤もある多忙な日々を送り、母の加代子さんも働きながら家事をこなす多忙な毎日でしたが、家庭内は常に穏やかで、居心地の良い安全基地であり続けました。
リビングには常に家族が集まり、会話が途切れない環境が整えられていたため、翔平選手はストレスなく自らの好きな野球に没頭できました。「怒られた記憶がほとんどない」と翔平選手自身が振り返る背景には、親の感情的な都合で子どもを支配しないという、両親の強い自制心があったのです。